前回は、冷え性のチェック項目に自分がどの程度あてはまるかを確認いただきました。
『冷え』そのものは、病気とはいえませんが、放置すると代謝や免疫に影響が出て生活習慣病をはじめ、
癌、うつ病などの病気の原因にもなりかねません。
『冷え』の効果的な対策は、実に単純ですが温めればよいのです。
からだを温める生活を毎日継続していくこと、世間ではこれを温活と呼んでいます。
今回は、衣食住の『衣』につながる『冷え』対策(温活生活)についてお話します。
まず、首と名のつく体の各部分の保温になります。
首、手首、足首など首と名のつくところは、太い血管が体の表面近くを走っているので
外気の影響が大きくなります。
首には、マフラー、ネックウォーマー、タオル、スカーフなどを巻きます。
外出するときだけでなく、室内でも、又寝ているときでもつけていることをおすすめします。
なぜなら、家の中というのはそれぞれの場所(居間、台所、玄関、トイレ)で意外と温度差があるものです。
暖房の効いた温かい部屋から慌ててトイレにいった時、急な温度差により、血圧の変動や体への負担が
多大にかかります。
ヒートショックやヒートアタックなどと呼び、女性やご高齢の方は、特に注意が必要となります。
フリースやセーターの中にタオル、スカーフを1枚巻いておくだけで、室内の温度差を気にせず生活できます。
手首は外出時は手袋、室内では手首ウォーマーの着用をしてみてください。
足首にはレッグウォーマーや靴下、5本指用とすこし大きいサイズの靴下の重ね履きも有効です。
次に、筋肉の多い太ももを中心とした腰まわりを保温します。
最近は使い捨てカイロを入れて使用する腹巻きや、腰までくる丈の長い下着なども売られています。
便利なものをたくさん有効利用して温めていきましょう。
大切なポイントとしては、どんな重ね着をしたとしても体を締め付けるようなことは絶対にしないことです。
せっかく温めた血液が、体全身を巡るゆとりがないと隅々まで温かくはなりません。
寒さ対策をいろいろとしながら、温活生活を過ごしましょう。
最後に漢方の視点から、漢方では血行を良くするために当帰の入った当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)や
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)などがよく使用されます。
体力のない人の冷え性には、体力をつけながら体を温める補中益気湯や人参湯を使用します。
冷え性の薬といっても漢方はすべてオーダーメイド。1人1人違う処方になります。
西洋薬とはまた違った効果が出るものもありますので、相談しながら自分にあったものを見つけてください。