漢方には、[木(もく)][火(か)][土(ど)][金(こん)][水(すい)]という自然界に
存在する五つの要素により万物が成り立っているとする陰陽五行説の考えがあります。
(コラムvol97~99)
五行説はそれぞれに自然の現象や身体の臓腑、組織、生理、病理、精神などの特性を幅広く関連づけ、
あらわしています。
今回は五行説より、「五気」についてのお話です。
「五気」は、自然の摂理である季節の巡りより、それぞれの属性を [風]・[暑(熱・火)]
[湿]・[燥]・[寒]の五つに当てたものとなります。
該当した季節に最も顕著にみられる気候とされており、
春…[風] 夏…[暑(熱・火)] 長夏…[湿] 秋…[燥] 冬…[寒] の特性となります。
わたしたちは、1年を通じて気候の変化の影響をうけていますが、気候の変化がすぐに病(やまい)に
結びつくというわけではありません。
その時に身体が適応できる範囲を超えてしまった場合に、体調不良を起こす一因になると考えられています。
ふだんなら身体が適応できる気候の変化も、ストレスを受けていたり、疲れがたまっている、
睡眠不足があるなどの場合は、不調の原因となる事があります。
自然に抗わず、飲食や暮らし方を工夫する四季に合わせた養生も必要です。
次回コラムでは、四季に合わせた五気の養生についてお話します。