漢方では、世の中の全ての事柄は「陰」と「陽」に分けることができるという考え方があります。
昼は「陽」で夜は「陰」、春夏は「陽」で秋冬は「陰」など…。
「陰」と「陽」は、それぞれ過不足なく存在し、お互いを補いながら、バランスを保って存在しています。
私たち人間の体も、「陰」と「陽」のバランスが保たれることで、健康を維持しています。
漢方では、私たちの身体は、「気(生命エネルギー)」「血(血液)」「水(血液以外の水分)」の
3要素で構成されていると言われています。
それぞれの特徴から、「気」は「陽」に、「血」と「水」は「陰」に分類されます。
「陽」は人体の生命活動の基本をつかさどり、体の様々な機能を動かし温めるのに対し、
「陰」は全身に栄養を巡らせて、体を潤し冷やすはたらきがあります。
疲労や不摂生、睡眠不足によって「陰」と「陽」のエネルギーが少なくなり、バランスが崩れてしまうと、
以下のような不調が現れてくると言われています。
「陰」が少なくなる(陰虚)⇒体を冷やす力が少なくなる⇒体がほてる、微熱が出る、体が乾いて乾燥する
「陽」が少なくなる(陽虚)⇒体を温める力が少なくなる⇒体が冷える、手足がしびれる
年を重ねる、過労、不規則な生活などが原因で、「陰」と「陽」の両方が少なくなってしまうこともあります。
そうなると、朝は冷えるのに夜はほてるというような形で、上記の不調が両方起きてしまうこともあります。
そうなる前に、自分の体を労わって、無理を重ねないようにしましょう。