日本の春と言えば、代表的な桜を思い浮かびますが 漢方では桜も生薬として使用されます。
生薬名は、「桜皮」オウヒと呼び、主にヤマザクラの樹皮をはいで天日で乾燥させたものを使用しています。
「桜皮」オウヒは、排濃、解毒、解熱作用があり、じんましんや湿疹などによく使用される漢方薬「十味敗毒湯」に配合されています。
また、生薬としてだけではなく、桜の葉は塩漬けすることで抗菌効果があるとされ、桜餅などにも使用されたりと幅広く利用されてきました。
そして、黄色いお花が愛らしいキク科の春の多年草タンポポは、開花前の乾燥させた全草や根を生薬名「蒲公英」ホコウエイとして使用されています。
「蒲公英」ホコウエイは、解熱、発汗 健胃、利尿作用があり乳腺炎の治療にも使用されることがあります。
その他、タンポポの根を乾燥させたタンポポ茶は、民間の健康茶として昔から親しまれてきました。
このように、身近なところで季節を彩る植物からも生薬が出来ているのは、大変興味深いものですね。