コラム

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花粉症と漢方

 漢方は、現代医学の薬と違って、強引にねじ伏せてでも薬効を発揮するのではなく、効きやすい身体の環境をつくって、自己治癒力を最大限に発揮させながら、結果として治った状態に持っていくものです。そのための条件を調えることが大切で、これさえ服用すれば効果が上がるといったものではありません。
 花粉症、アレルギー性鼻炎の発症を抑制する原因は
①抗体をつくらせない。
②抗原と接触させない。
③くしゃみや鼻水、なみだの基になる水分を枯渇させる。
④自律神経を安定させる。
以上4つであることを繰り返し述べていますが、漢方が担う役割は、
③のくしゃみや鼻水、涙の素になる『水分の枯渇』が主なるものです。

ほかに漢方薬は、抗菌作用、痒み止め、炎症を鎮めるもの、血行を促進するもの、熱を摂り、鎮痛作用の働きのある生薬などで構成されています。
眠くなる成分が入っていない漢方薬もあるので、上手く活用致しましょう。
花粉症は季節が過ぎれば症状が治まる事から、この一時期だけを何とか乗り切れば十分と考える方も多いですが、体質改善をするという観点では症状のない時も服用し、免疫力をつけていただくのが望ましいです。