コラム

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冬の養生 ③

養生とは

天人合一(てんじんごういつ) 
天人合一とは、人は自然界の一部分であるため自然に従い、調和し、共存しようとする考え方です。季節に応じた養生では、陰が極まる冬は身体をあたため、乾燥に注意し、エネルギーの消耗を抑え落ち着いたゆとりのある気持ちで陽気を蓄えるよう過ごしましょう。

冬の食養生
寒さに負けないよう身体を温める性質のあるごぼうや人参、蓮根などの根菜類を温かく調理し、スープや鍋物などでいただくと、陽気を補うことができ、身体を根本から温めてくれます。
また、冬に影響を受けやすい五臓の「腎」を養う鉄分やカルシウムなどのミネラルが豊富な貝類、昆布や海苔、ひじき、わかめなどの海藻類や、黒米、黒豆、 きくらげ、黒ゴマ、クルミなどの黒い食材がおすすめです。

冬は、寒さから身体を守るため気(エネルギー)を消耗します。身体を冷やさないように注意し、睡眠時間を充分に取り、日々を安定したゆっくりした気持ちで過ごすよう心がけていきましょう。

陰が極まれば陽になる 〈陰陽転化 いんようてんか〉
物事の陰陽は一定の条件である段階まで発展すると陰と陽が転じることがあるとされ、
漢方ではこのような陰陽の相互の関係を「陰陽転化」とします。
寒さが極まる季節ですが心身を養生し、草木の芽吹く温かな春を待ち健康を
守っていきましょう。