コラム

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夏の養生 ③

漢方には、陽(よう)のエネルギーがもっとも強くなる夏に「陽気(ようき)」を補い養生することが、
冬に起こりやすい不調を防ぐ身体づくりに重要であるとする「冬病夏治(とうびょうかち)」という言葉が
あります。夏の間の養生や過ごし方が、冬の体調に影響を与えるという考えです。

夏の養生の基本は「陽気を養う」こと
冷たい飲食物の摂り過ぎやエアコンの過度な使用などで、意外に夏の身体は冷えが生じやすくなっています。
身体が冷えると体内の陽気は消耗され、気血の巡りにも影響を与えるため、冷えからくる手足の痛み、しびれ、腰痛、関節痛などの症状が誘発されやすいとされています。

夏であっても身体を冷やしすぎない
暑い季節は、冷たい飲食物をつい摂りすぎてしまいがちですが、脾胃を冷やし陽気を損なえば、食欲不振や
下痢などの胃腸トラブルを招きやすくなります。意識して温性の食材を摂るよう心がけましょう。

また、熱中症の対策としてエアコンを上手く利用することが有効ですが、冷気や冷風をあびる室内でばかり
過ごしているなど、長時間冷える環境にいることのないよう注意します。
身体に感じる冷えや暑さに合わせて生活環境を整えながら上手にエアコンを利用し、調節が難しい場合は
冷えに備えて一枚上に羽織る上着や、ひざ掛けなどを用意するなどの冷え対策がおすすめです。

また夏は「気」が炎上しやすく、暑さのためついイライラしがちです。出来るだけ精神を安定した状態に
うまく落ち着かせて過ごしましょう。夏を穏やかで、健やかなこころで過ごすことも養生の一つとなります。

ゆっくり入浴し発汗させることで、体内に入り込んだ冷えやイライラを取り除きましょう。