コラム

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夏の養生 ②

漢方では、気温などの外部の要因によリ身体に影響を与えるものを外邪(がいじゃ)とし、
それらを季節ごとに6つに分類しています。

暑さが増してくると、夏の外邪である「暑邪(しょじゃ)」、「火邪(かじゃ)」の影響が大きくなります。
また、暑邪、火邪の影響をもっとも受けやすい五臓は「心(しん)」となります。
漢方では、五臓は臓器そのものだけの意味に留まらず、体内での生理機能や役割、作用までを含めた概念を
あらわしています。

心(しん)の働き
五臓の「心(しん)」は、血脈と精神活動をつかさどっています。
心(しん)の拍動により血液を全身に循環させ、身体全体を統括し、生命活動の維持をします。
また、心(しん)は精神、意識、感情、思考、睡眠などに密接にかかわっているとされます。

心(しん)が暑邪、火邪に侵されると、体内の陽気が炎上するため、息切れ・動悸・胸苦しさ、倦怠感のほか、
身体に熱がこもりやすくなるため、多汗、口渇・顔や舌の赤み、不眠、不安感、イライラ、気分が沈み気力が
低下するとなどといった不調が起こりやすくなります。

夏の暑さから身体を守り、心(しん)を養う生活習慣を意識することが大切です。