コラム

127

夏の養生 ①

漢方では、二十四節気の立夏(5月)から小満、芒種、夏至、小暑、大暑を経て、立秋(8月)までの夏の3か月を「蕃秀(ばんしゅう)」といいます。
中医学の古典「黄帝内経」の素問に「蕃秀の季節、天地の気は盛んとなって交わり、春に芽吹いた植物は枝葉を伸ばして鮮やかに生い茂り、万物は生長し繁栄する」と記されています。
また養生について、「夜に臥して早く起き、太陽を避けず、志は怒らず、外で活動し気を排出させる」とあります。

陽気に満ちあふれる蕃秀のこの季節、太陽を厭わず早起きを心がけ、適度な運動で発汗すれば、体内の老廃物は汗とともに排泄、発散されます。
空調の整った涼しい室内でばかり過ごすのではなく、屋外に出て身体を動かし適度な汗をかくことも養生法の一つになるとしています。


身体を動かす際は熱中症対策として、休息を充分に取りながら、こまめに水分の摂取をします。
身体が暑さに慣れていないため、5月より熱中症の発症数が増加する傾向にあります。
長時間、直射日光の下での活動は避け、無理のない範囲で自分に合った適度な運動を行いましょう。

また、夏の養生として精神的な気の発散も必要です。
おだやかで平穏な気持ちを保てるよう努め、ストレスを溜め込む事のないよう気持ちを外へ向け、気分転換を心がけましょう。