江戸時代の儒学者であり、医者でもある貝原益軒(かいばらえきけん)によって、書かれた「養生訓(ようじょうくん)」という書物があります。
貝原益軒は、平均寿命が50歳未満の時代に生き、84歳で最期を迎えるまで健康で生涯を全うした人物です。晩年に、健康で長生きするための健康指南書となる『養生訓』を出版し、当時の人々に広く愛読されました。現在でも現代語版や海外版などが出版されており、実践の価値が高い養生法として評価されています。
「養生訓」は、1養生の目的と意義, 2生活,3飲食(上),4飲食(下),5 衛生, 6医, 7薬, 8老後の全八巻からなっており、病気になってから治療を始めるのではなく、病気を防ぐ努力をすることこそが大切であると記されています。
栄養バランスのとれた食事や適度な運動、睡眠のどれもが健康を保つには重要であり、ストレスをためず、心を鎮めて楽しみを持ち、日々を感謝して生活することが、心も身体も養うことになるという養生訓は、現代生活での未病予防に繋がるものがあるといえるでしょう。