コラム

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冬の不調 寒邪(かんじゃ) ②


寒さが厳しくなってくると、冬の外邪「寒邪」の影響を受けやすくなります。
寒邪の影響を最も受けやすい五臓は「腎」となります。
五臓の「腎」は、臓器の腎臓そのものだけの意味に留まらず、体内での広い機能や役割までを含めた
概念をあらわします。

五臓の「腎」は必要な水分を吸収し、不要な水分を排泄させる水液分布と水分代謝をつかさどるほか、
人体が先天的に持つ心身の活動に必要な精気、生命エネルギーを蓄えるとされます。

また、腎と膀胱は経絡によって結びつき表裏関係にあるため、寒邪に侵されると冷えによる痛みのほか
尿トラブル、むくみなどがあらわれやすいとされます。
また、漢方では寒邪は体内の陽気を損うとされるため、気分が沈み気力が低下するとなどといった心の
不調が起こりやすくなると考えます。

寒邪から心身を守り、腎を養う生活習慣を意識することが大切となります。