コラム

137

温かい物をたべると

冬本番の寒い季節、うどんやラーメンなどの温かいものを食べると
鼻水が出やすくなって困った経験はありませんか?

鼻水の量やその症状を不快に感じるかどうかという面で個人差もありますが
温かいものを食べると出る鼻水は、熱い湯気などの刺激から鼻粘膜や肺を守るための
身体の生理現象であり、防衛反応のひとつとされています。

身体には、体内の温度を出来るだけ一定に保とうとする働きがあるため、
体温より高い温度の空気が湯気として体内に入ってくると、鼻水を分泌することで
鼻粘膜を守ると同時に、温かい空気がそのまま肺に入らないように調節します。
寒い日に屋外から温かい部屋に入った時にも、空気の刺激に反応して同じ理由から
鼻水が出ることがあります。

西洋医学では、この鼻水の原因は血管運動性鼻炎や寒暖差アレルギーとされ、
通常の鼻炎の治療となる向きもあるようです。
東洋医学では、鼻水の出やすい方は「気血水」*の水の巡りに滞りのある方が多いと
されているため、水分の代謝を整えるとともに衛気を強化することでバリア機能を高め、
粘膜の強化をはかるといった漢方の処方が選択されることもあります。
温かいものを食べると出る鼻水が気になる方は、ご自分に合った方法を試されるのも良いですね。
*「気血水」*については、コラム50~52 をご参照ください。