【日本の冬・雪国がもち肌作る】
日本の冬場の気候は、一般的には日本海側では低温多湿となり、太平洋側では乾燥します。
日本海から湿った空気が日本列島の高い山にぶつかり、日本海側に雪を降らせ、
その湿り気を落とした空気が、太平洋側に移動するので太平洋側は晴天と乾燥したお天気となります。
北陸や山陰、東北の日本海側の方々は冬場の雪と、どんより湿った毎日に閉口されることと思いますが
湿度が大きく下がる太平洋側で、空気の乾燥が肌荒れの原因となるのに対して、雪国では低温多湿のため
湿度の高さが、そこに住む方々のお肌を潤いのある“もち肌”にしてくれます。
【多湿の気候がからだに影響する】
高い湿度の環境が、冬場のもち肌をつくるといった嬉しいことがある反面、不快な症状の隠れた原因の
一つになることもあります。
ひざなどの関節が痛むときに用いる漢方処方の多くは、冷えと「水毒(すいどく)」や「水滞(すいたい)」と
呼ばれる体内の水分のかたよりや滞り、浮腫みを改善する生薬内容が主となっています。
乾燥しやすい大陸性気候に比べ、四方を海に囲まれた我が国は空気中の湿度の高さが、人体を湿らせるので
ひざの痛みの症状緩和に用いる漢方の処方は、余剰の水分を主として尿として排泄するようになっています。
次回は「水毒」「水滞」とからだの痛みについて、お話します。