コラム

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漢方の効き目について②

漢方薬は穏やかな効き目であるというイメージがあります。漢方薬というものは本来、服用して何か月も経たないと効果がはっきりと分からないものなのだと思っていらっしゃる方も多いようです。
 病気の種類、発病からの期間、あるいは特に改善したい症状によって異なりますが、実際には、1か月位で何かしらの変化が確認できるというのが一つの目安です。
また、お身体の変化を確認できたら、体質改善を伴う漢方薬の場合で、3か月~半年位を目安に服用されると良いでしょう。

1か月服用しても、服用前と何の変化も無い場合は、①処方が体質に合っていない②服用法が合っていない③養生法などに問題がある、という理由が考えられます。
西洋医学では、頭痛であろうが、生理痛であろうが、痛みには同じ鎮痛剤で対応できますが、漢方はそうではありません。頭痛といっても、風邪からくる場合、血圧からくる場合、水分過多からくる場合など、それぞれで処方が異なります。
 また、同じ処方を基にした漢方製剤であっても、製剤技術によって効き目が大きく変わることもあります。
 さらに、漢方は“舌の上での味の感覚”も効き目に大きく作用すると考えられています。味を感じないほうが服用しやすいということで、薬の表面をコーテイングし、味をマスキングしてしまった場合は、成分がしっかり入っているにも関わらず、効果が出にくくなる場合もあります。
 
養生法については、普段摂っている食べ物や、喫煙の有無、アルコール、精神への過大なストレス、運動不足なども、漢方の効果やお悩みの症状に影響を与えることがあります。日々の普段の生活について、ぜひ振り返ってチェックしてみて下さい。